「ヒット商品番付」は宝の地図

日経MJ(日経流通新聞)が毎年12月に発表するこの番付は、ある意味で
非常に貴重なマーケティングデータです。

1971年の日経流通新聞創刊時から、毎年発表されているこの企画は、
マスコミの企画、特に経済紙の企画としては非常にユニークなつくりになっています。

日経新聞の記者達が、全ての市場及び消費材の中からヒットしたと思うもの、
感じるものを、投票すると言う方法で作られるからです。
言い換えれば、売上高、市場占有率、伸び率のような数字より、感覚やカンが
最優先されています。

日々、数字の裏付けを基本に情報発信するジャーナリストの、感性や
取材時の裏情報、さらには本音までが見えるから、興味深いのです。

「明日は見える」でご説明している通り、日本の市場は「衣・食・住」でリンクします。
ですから、ヒット商品番付のようなデータは明日のヒット商品を見つけるには
大変役立ちます。
本来なら同じフィールドで比較されることのない商品が、感覚で比べられることで、
次のヒット商品への流れと、流れの作り方が鮮明になります。

ヒット商品の種が隠された、「宝の地図」と言うのはその為です。

しかし、「宝の地図」には暗号でヒントが書かれていて、それを読み解かないと
宝の埋められた場所にたどり着けないように、ヒット商品番付も解読には
知恵と工夫と努力が要ります。

ヒット商品を生み出したメーカーのコンセプトが、100%正しいことはありえません。
その為、売り場や購入者の取材を通して、顧客が購買に至ったコンセプトを見つけ直します。

昨年、一昨年のヒット商品番付から時系列的に洗い直し、継続して
ヒットしている商品のバイアスを掛けなおします。

「宝の地図」が本物でも、イージーに印の場所へ行くと落とし穴が待っています。

くれぐれも用心して、謎を解いてから、掘り始めましょう。