名はコンセプトを表す

「古西と申します。古い西と書きます。」

何十年と、この自己紹介を利用していますが、「古い西と書きます」の一言のおかげで、
皆さん必ず覚えてくださるので、良い事が多かったと思います。

とはいえ、人の名前を覚えてもらいやすいように自由に変えるというのは
ペンネームや芸名ならいざ知らず、難しいようです。
ですから、何か一言添える言葉を考えましょう。

一方で、商品の名前は皆さんが名付け親になるのですから、良い感じで分かりやすく、
商品コンセプトを消費者に的確に伝える効果を持ったものにしましょう。

最近の例では、クールビズ(2005)が良い例です。
小池さん効果もありましたが、社会現象化したファッションコンセプトは久しぶりで、
最も保守的なビジネスシーンまでが変わったのですから大変なことです。

昨年の大ヒット、ヒートテック(ユニクロ)もネーミングの勝利です。
素材の異型断面糸や中空糸は特に新しい素材ではありませんが、
ネーミングが製品の説明ではなくライフスタイルの提案に成功したため、
若い人たちの賢い健康志向も刺激して、大ヒットになりました。

名前によるヒットを商標登録から洗ってみましょう。

一般名称だと思われるほどになった例では、
セロテープ(ニチバン)
エレクトーン(YAMAHA)
ドライアイス(ドライアイスコーポレーション)
サインペン(ペンテル)
シャープペンシル(シャープ)
うどんすき(美々卯)

企業イメージと強く結びついた例では、
味の素(味の素)
ウォークマン(ソニー)
ウォシュレット(TOTO)
カップヌードル(日清)

ウソ!ホンとに?という例では、
アーモンドチョコレート(江崎グリコ)
パンスト(保土ヶ谷ナイロン)
デジカメ(サンヨー)

ここまで来ると、商品名も立派な商品です。

調理方法名、材料名、原料名等でカンタンに商品名を付けず、
分かりやすいけれど独創性があり、他社製品との差別化の図れる
商品名を一生懸命考えませんか。


おまけの話

商標登録と同じように、特許も大切なものです。
ただ、単純な特許ではなかなか製品の独創性を守ることが困難なのも事実です。
そこで、特許取得の際、製法特許、用法特許、そして製品化した場合の商標登録を
3点セットでとる事をお勧めしています。

最後の競争は、お客に買ってもらえるかどうかですから、市場での
優位性の確保を事前に準備することは大切なことです。