「発明王」として、また「努力」の人として我々はエジソンの事を教えられてきましたが、深く調べてみるとどうもそれだけではない様です。むしろあまり知られていない部分にこそ、エジソンのエジソンたる所以があり、そこに学ぶべき物が多くあります。
実はエジソンを現代風に正確に言うと、「発明王」ではなく、「実用化特許王」とでも言うべきだと思います。なぜかと言うと、エジソンが発明したとされる物のほとんどは、基本のコンセプトや構造までが既に出来ていても実用化や大量生産出来ないでいた物を、エジソンが商品化し更に特許を取得してビジネスとして成功させていたからです。
例えば、代表的な例として「電球」は、エジソンが実験に参入した時には既に多くの研究所で開発実験が進んでいました。
広いカテゴリーの情報と知識を持ち有効に組み合わせ利用
「ランプの火屋の掃除からの解放」をコンセプトに、ガラス球の中を真空にし導体に通電して発光させればいいと言う考えまでは、既に他の研究者達により出来上がっていたのです。
そこへエジソンが参入し、竹炭のフィラメントに始まり合金のフィラメントを完成させるのです。さらにその際、エジソンは銀行家から研究資金を出資させる為に彼らしいアイディアにあふれたパフォーマンスも展開しています。
ここで大切なのは、フィラメントに竹を利用しようと思い付く柔軟な発想が浮ぶ事、金属の研究にこだわらず通電して発光する物を探し出せる事で、広いカテゴリーの情報と知識を持ち有効に組み合わせ利用出来るかどうかなのです。
天才的に閃く発明家になるのは大変ですが、この情報化時代ですからエジソンほど努力しなくても(?)情報を入手することは出来るので、誰でも雑学家としてのエジソンなら目指せるのではないでしょうか。
「99%の努力と1%の閃き」と言う名言は努力の大切さを教える事に使われてきましたが、エジソン本人は「努力の上に閃きがないと努力が実らない」と言いたかったのだそうです。
カテゴリーの違う有効な情報は、ぶつかり合ううちに十分閃いてくれるという事だと思います。異なるカテゴリーの情報をいかに多く集められるかがポイントです。