春のおせち、秋のおせち

大晦日の早朝から、親子三代でおせち料理を作る風景は、今の日本に
どの位残っているのでしょう?、
日本の食文化が文化として継承され、食育の象徴とも言えるこの作業を、
記憶の隅に残っている間に、現代版の場を作ることで、リニューアル保存
しなければいけません。

総指揮はおばあちゃん、実務はお母さん、娘もしくはお嫁さんは下ごしらえと
お手伝いを担当。
早朝から除夜の鐘の直前までに、約20種類前後の料理を三世代の共同作業で作ります。

作業の段取り、火加減の指示、最後の味付け調整は総指揮官の腕の見せ所で
何といっても長年の経験と、いわゆる「おばあちゃんの知恵」が威力を発揮。

いくつもの作業を同時並行的に行いながら、野菜の切り方、皮の剥き方など
調理の技術を娘達に教える教官でもあるのがお母さん。

数日前の買出しに始まり、材料の選び方、下ごしらえの方法、セレモニーの意味、
その他あらゆるおせち料理の基本を学習しながら、先輩2人のサポートが娘の仕事。

味見と称したつまみ食いなどをしながら、料理とその調理法、そして食文化を
次世代に伝えて来ました。

元来おせち料理は節句の料理と言う意味ですから、お正月のものだけではありません。

正月のおせち料理は、重箱の中に栄養のバランスを視覚化して教えています。
お飾りの餅と、その上の昆布や干し柿、橙も炭水化物とそれを燃焼させるのに
必要なミネラル量をビジュアル提示しています。

桃の節句には蛤のお吸い物が必須で、春の成長期に体が必要とする
貝のミネラル摂取を教えていますし、
端午の節句にちまきを食べて笹などの葉による抗菌効果を教え、
食物の防腐を実践させています。

団塊世代は今、大きく食習慣の変更を行い、将来の生活習慣病予防を
食習慣で実践しなければいけません。

その為に、おせち料理を見直しましょう。
さらに、お正月だけでなく桃の節句、端午の節句にも春のおせち、初夏のおせちを
作ること食べることで、食の見直し知識の再確認をしましょう。

デパ地下の出番です。

食のコンテンツを提供するのに最も適した場所として、
また、信用の高さが社会習慣まで変える力を持っていることなど、
ライフスタイルの提案が出来る唯一の売り場から、発信して下さい。

「簡単で便利」が売りのおせち料理から、
「なつかしくて体に優しい」元気の素のおせち料理に挑戦です。