「世界ふれあい街歩き」

2005年から放送の始まった、「世界ふれあい街歩き」(NHK)を
ご覧になったことは、ありますか?
近年、まれに見る面白いテレビ番組です。

いわゆる紀行番組で、世界中のいろいろな街を紹介するものです。
ただ少し変わっているのは、ステディカムと言うカメラを使って、いかにも視聴者が
その街を歩いているかのように製作されています。

始まった当初は、比較的よく知っている街がテーマだったこともあり
あまり興味を引かれることは無かったのですが、最近、自分にとって
訪れる可能性のあまり無い小都市がテーマに選ばれるようになって、
俄然、この番組の制作手法が際立ち、興味深くなってきました。

番組は、歩きながら延々と街の風景を撮り続け、すれ違う人ともカンタンな会話を交わし
街歩きの疑似体験をするわけですが、行ったこともある、よく知っている街では
疑似体験にリアリティーが沸きません。ところが、今後も行く可能性の無い街だと
かえってすごく想像が膨らみ、街歩きのイメージや実感も沸いてきます。

知識としての情報を得るテレビから、想像を提供するテレビへ、
またまた進んだと言うことでしょうか。

1987年に「地球大紀行」(NHK)が放送されたとき、全くそれまでと異なる
テレビ製作の視点に驚かされたものですが、久しぶりにまた驚かされました。

ある意味で、NHKならではの感が強い、新しいタイプの番組です。

テレビ製作にもメディアとしての変革が求められています。
これまでは絶対に企画会議を通ることのなかった番組が、
しっかりとしたマーケティングに根ざし、各局から生まれることを期待しています。

笑いのためだけの、イジメ?と思ってしまう番組。
スタジオにいる人達だけが楽しい番組。
井戸端会議のグチの言い合いのような番組。

もうやめませんか?


これからのテレビを支える新団塊世代にとっては

「賢くなければテレビじゃない!!」


今は、そんな時代です。