オペラに学ぶ、上手なウソ

日本人の好きな3大オペラと言うと、
「カルメン」「蝶々夫人」「椿姫」の3作品です。
どう言う訳か、全部主役が娼婦なんですね?

歌舞伎の黒子と同じように、オペラにも暗黙のお約束があります。
見えていても、見えないことにするルールです。

特に、人間の声はここまで美しく、感動させられるものか
と言う点に係わるものが、多いような気がします。

「椿姫」のいよいよ最後、結核に倒れ明日をも知れないトラヴィアータが、
恋人のアルフレードを待ちながら、愛しい胸のうちを切々と
息も絶え絶えに歌う場面。

私がいまだに最高と思っている某女性歌手は、当時、横綱と同じ体格。
明日をも知れないトラヴィアータの息も絶え絶えの歌は、
メトロポリタンオペラハウスに朗々と響き渡り、感動の嵐でした。

圧倒的な感動を生む声を出すには、楽器として横綱の体が必要だったのです。
それは今でも変わりませんが、最近はDVD等のパッケージメディアのために、
芸術的なウソが減ってしまったのは、残念です。

圧倒的な優位性や高品質は、マイナスポイントをカバーする、上手なウソです。
オペラもたまには如何ですか?
不思議?変かな?と思える所に、人を納得させるポイントがかくれています。

オマケ
オペラの授業で、女性に花を贈って一番喜ばれるのはいつか?と言うのがあります。
誕生日、クリスマス、お見舞い、違います。

何も無い時、贈る理由の無い時、それが一番です。

だからオペラの登場人物は、道端で花を摘むんです!?