冒険家の仕事

世界最高峰のエベレストに登るとします。

ルートを選び、装備を整えるなどの準備をし、シェルパを雇って
サポート体制も固め、何より自分の体力、気力を鍛え、
そしてアタック開始。

ちなみにエベレストは入山料(?)が約250万円もかかるので、
経済的にも大変です。

頂上に到達、記念撮影を済ませ、登頂の証拠をしっかり準備、
登山より注意を払いながら下山、みんなのところへ戻ります。

そこで、エベレスト登山について丁寧に分かりやすく、すべてを話します。
本当に大変だったポイントに、みんなが興味を示さなくても
ハラを立ててはいけません。

登った人と、話を聞く人とでは経験から来る価値観が全く違うのです。
下りてきてからの説明が分かりやすく面白ければ、
あなたは立派な登山家、冒険家として評価されます。

企業の研究開発は、エベレスト登山に似ています。
頂上に到達する大変さや苦労に、市場はほとんど興味を示しません。

どんな花が咲いていたのか、どんな鳥がいたのか、
氷河の氷は美味しいのか、そんな事に興味があるのです。

冒険家は頂上に上り、研究者は開発するのが当たり前だからです。
しかし、業績や研究結果を上手に説明できれば、
冒険家、研究者として評価につながるのです。

研究成果はすべて説明できるよう、準備することは必要です。
一方で市場に興味の無い話しを、無理に押し付けてはいけません。
ウィットにとんだ楽しい話し方、それが研究と同時に必要なポイントです。

山に登る前に、楽しい話し方の練習もしたほうがいいかも知れません。
冒険家の仕事は、下山してからの方が大変なのですから!?