「そろそろ、昼飯にでも行きますか?」
「いいですよ、何にします?」
「何でも、いいですよ!」
「そばにしましょうか?」
「じゃあ、今夜残業なんで、トンカツでもいいですか?」
普通のオフィスの、何気ない昼時の会話です。
しかし、これが典型的な日本人の意思決定パターンなのです。
総論で、昼食に行くことが決まります。
各論の、何を食べるかについての質問が出ます。
それに答えて、そばを食べに行く提案が出されます。
さらに、全員の合意として何でもよかったはずなのに、
トンカツが提案されます。
結果として、代案のトンカツに決まります。
日本人は自分から何かを提案して、決定することが得意ではありません。
出された提案に反応し、別の提案を結論にすることが多いのです。
「松」では決められなくても、
「松」「竹」なら選択が容易になりますし、
「松」「竹」「梅」なら大半が「竹」に流れます。
これが日本的な意思決定パターンです。
日本市場はニーズが顕在化していません。ニーズの種がモヤモヤと
気持ちの中で分散していて、何か提示されたものがそれらのモヤモヤを
一気に結晶させたり、ニーズとして顕在化させるとヒット商品になります。
オリジナリティーの高い新製品が登場しても、市場が反応しないことがあります。
しかし、同じカテゴリーの商品が登場すると一気に市場の活性化が起きます。
相対的比較で先行商品に優位性が出ますので、結果として創業者利得が発生します。
比較の対象に使用するモノサシの提案が出来れば、市場を動かす事が出来ます。
限定数などは有効なモノサシですし、単純に線を引くのも有効です。
「45歳を過ぎたら、1日1個」と線引きすると、
「43歳ですがもう初めていいでしょうか?」
「50歳ですが今からでも大丈夫でしょうか?」
動き出せば、「モチロン!大丈夫です!」と答えてください。